しあわせでいこう
〜この二人の場合〜


時空を越える冒険、死と隣り合わせの毎日。
そんなこんなで伝説の勇者となったある1人の男。

−その影には、一つの支えがありました−

彼がいつ何時も冷静でいられる理由。

「もう神に土下座されたってどこへも行くものか・・・」
クラース.F.レスター 当時29歳


「クラース・・・クラース!」
書き物をしているうちに机でうたた寝してしまったクラースを1人の女性が揺する。

「ん、・・・何だ?ミラルド・・・」
「何だじゃないでしょ?こんなところでうたた寝してたら風邪ひくわよ!」
「ああ、そうだな。だが早くこれを書き上げてしまいたいんだ」

そこには時空を越える戦いの記録が事細かに書かれていた。

「頑張るのも良いけど最近夜遅くまでずっと書いてるでしょ?自分の体も少しは気遣ってよね!」
「そうだな。」
「もう!ホントに私がいなかったらあなたのたれ死にするわよ?」
「ああ、感謝しているよ。」

二人はこの冒険を通してお互いの気持ちを実感させられていた。
なのでクラースは以前のようにミラルドをあまり助手のように扱っていない。
ミラルドもクラースが側にいてくれることが何より幸せで堪らない。


「ねぇ・・・クラース。冒険の間・・・ちょこっとでも私がいなくて寂しいって思った?」
「な、・・・!?」
ミラルドが入れてくれたお茶をこぼしそうになるクラース
「あ、ゴメンね;でも私はね、その・・・」

『ゴホン』と咳払いをするクラース。
「そんなワケ無いだろう?」
「う・・・うん、そうだよね・・・」

寂しそうな顔をするミラルド。
そんな彼女の背中をクラースは後ろから優しく抱きしめる

「ク・・・クラース?」
「お前がいなくて・・・私はものすごく寂しかったんだぞ?」

腕に込めた力が少しずつ強くなる。
ミラルドの目には嬉しさの余り涙がこぼれた

「すき・・・・」

ずっと同じ家に住んでいて、もう結婚してもおかしくない。
だけどゆっくり、すごくゆっくり。
お互いの存在を幸せに思う
この時間と想いをたくさん重ねて、二人は今同じ時間を生きている。




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