しあわせでいこう
〜2人の新婚生活〜


あんなに戦い続けて多日々が、まるで夢だったかのような穏やかな生活。
ときにみずからの手で人を・・・もとい両親を殺した事もあった。
それでも、時は流れその事実は自分の心の片隅に傷として深く残っている。
たとえ、幼い頃から戦いを強いられてきた非情の忍びだったとしても
伝説の英雄として崇められてきたとしても
今は、幸せを願う1人の普通の女の子なのだから。

「ファルケンさ〜ん!朝ですよ!早く起きてください!」

旧姓藤林すず 21歳 

「はぁい・・・・ってすずちゃん・・・まだ5時じゃないか・・・・;」

ファルケン・バークライト クウォーターハーフエルフなので年齢は定かでは無い。
2人は夫婦になったばかり。

ファルケンは水で顔を洗い食卓についた。
朝ご飯には白飯と卵焼きとおみそ汁、魚の煮物が用意されていた。
(まったくファルケンくんは幸せ者だね。)

プルルルル・・・・プルルルル・・・・
「誰だよこんな朝っぱらから・・・」

一度持った箸を置こうとするとすずが
「私がでます」
と言って電話に向かった。

『もしもし〜?あ、すずちゃん?元気?』
その声は別に受話器を持っていなくともファルケンにまで聞こえていた。すずはかなり受話器を離して会話する。
「あ・・・アーチェさん・・・。はい元気です。」
『やだ、「アーチェさん」だなんて!「おかあさん」でいいのよっ!』
ごほっげほっ!!
「さすが・・・年よりは早起きだな」
とファルケンはむせながら呟いた。

『何ぃ!?聞こえてんのよバカ息子っ!』

「あ、あの今日は何用でしょうか?」
『あ、そうそう。結婚式のね写真が現像できたのよ。で、昨日速達で送ったから今日くらいに届くんじゃないかな?と思って』
「ありがとうございます。楽しみにしてますね」
『そんだけ。じゃ〜ね〜』
ガチャ

電話し終わるとすずがくすっと笑う。
「どうしたの?すずちゃん。」

「アーチェさんは今も変わらずすごくにぎやかで良いですね」
「あ・・・ああ、無駄に元気なだけだけどね;」

郵便受けを見に行くと既に手紙が届いており、その中にアーチェからのモノも混じっていた
封を切ると中には真っ白なドレスに身を包んだすずときっちりめかし込んだファルケンの写真が入っている。

「何か改めてみると照れるね」
「はい。でも何だか嬉しいです。ファルケンさんのお嫁さん・・・」

そこにはものすごく穏やかな空気が流れていた。
するとまた・・・・

プルルルル・・・・プルルルル・・・

「(せっかく良い感じだったのに)」
と心の中で残念がるファルケン。
電話にでるすず。
『あ、もしもし〜?何回もゴメンね?ってか2回目だけど〜』
またアーチェからだった。
「はい。何でしょう?」

『言い忘れてた事があったのよぅ』
「はい?」

『おばあちゃん。そろそろ孫の顔が見たいわぁvvv』

・・・・・・

すずが持ってる受話器を取って電話にでるファルケン
「誰がばあちゃんだ!くだんねぇことでいちいちかけ直してくんじゃねぇ!!」

ガチョン

力強く受話器をおろしたファルケン。
すず共にかなりの赤面である。


2人の新婚生活ははじまったばかり・・・。

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